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裁判員制度の仕組み |
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裁判員制度とは、一般からくじで選ばれた方6人が一つの刑事事件裁判に参加して、裁判官3人との計9人で判決内容を決めるものです。裁判員に選ばれた人は、裁判当日の刑事裁判の審理に出席します(公判手続)。審理では、被告人や検察官の話、証拠などについて見聞きします。審理で見聞きしたことを元にして、裁判官と裁判員で議論ののち有罪か無罪か、有罪であれば罰則をどうするかなどの判決内容を決めます(評議)。裁判官と裁判員で決めた判決内容を裁判長が被告人に伝えます(判決)。
裁判員の仕事はここまでになります。 |
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裁判員制度を詳しく説明したものが左の「裁判員制度ナビゲーション」です。裁判員裁判の実際の運用について具体的なイメージを持ってもらう為に作成されました。写真や図を多用して分かりやすい内容になっています。全国の地方裁判所で無料で配布されています。 |
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裁判員制度の課題 |
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裁判員制度の課題としては以下のことがあげられます。
1. |
裁判員候補者の出席率の低下 |
2. |
重大事件の扱い |
3. |
課せられた守秘義務 |
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1. |
裁判員の出席率の低下~候補者に選任されても出てこない方が相次いでいます。これは、責任の重さや自信のなさといった裁判員に対する心理的な不安・職場での休暇の取得が困難といったことが要因のようです。 |
2. |
重大事件の扱い~審理期間中に事件の凄惨な写真を目にしたり、事件関係者の会話音声を耳にすることもあります。勿論、見たくない写真は無理をする必要はなさそうです。 |
3. |
課せられた守秘義務~裁判員には守秘義務があり、評議で出た意見や裁判員や裁判官が言った意見、多数決の中身、職務上知った秘密(事件関係者のプライバシー)、などは話してはいけないことになっています。しかし、制度を広く知ってもらい、今後裁判員になる方の不安を払拭するためには経験者の声が必要です。守秘義務が発言を消極的にさせている点は否定できないので、守秘義務についての見直しが期待されます。 |
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裁判員裁判を担当した裁判官の声 |
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一つの事件にいろんなバックグランドを持つ方がそれぞれの角度から意見をするので深みのある議論ができる。(約50件以上担当) |
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人間の弱い所に向き合うのが裁判。裁判官が机の上で法律の議論をするより、人生経験のある裁判員が様々な人生観を出し合ってこそいい裁判なのだと思う。(約60件以上担当) |
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議論を尽くして納得した結論を得られると、判決後、解散の時に裁判員から「最後に握手してください」と言われることがある。これまでにない新鮮な体験だ。国民と議論を尽くしたという充実感を感じる。(約60件以上担当) |
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~産経新聞「裁判員制度10年・・・裁判官に聞く」より抜粋~ |
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仮に裁判員候補者に選任された場合、法的な知識がない自分に果たして務まるのかと心配になると思います。上記の「裁判官の声」は、そのような不安な気持ちを払拭し背中を押してくれます。貴重な経験になりそうです。 |
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参考:最高裁判所HP「裁判員制度」、NHK「解説委員室」 |