~居住用の宅地などの限度面積が拡大されます~
相続や遺贈によって土地を取得した場合、その土地の中に被相続人が自宅として住んでいたり事業用に供していた宅地等がある場合には、その土地が被相続人の生活の基盤になっていたことに配慮するとともに、事業の継承をしやすくするために、一定の要件の下に、遺産である宅地などの限度面積までの部分について、宅地の評価額の一定割合を減額することができます。ただし、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係わる贈与により取得した宅地などについては、この特例の適用を受けることはできません。 |
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★「誰がその土地を相続したか」がポイントになります。 |
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被相続人の配偶者が相続したとき・・・
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無条件でこの特例が適用されます。 |
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被相続人の同居の親族(配偶者以外)が相続したとき・・・ |
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相続税の申告期限までこの土地の所有と居住を継続したときに限って、この特例が適用されます。申告期限は相続開始日の翌日から10か月以内です。その間の売却は出来ません。 |
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被相続人の配偶者や同居親族以外の親族が相続したとき・・・ |
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被相続人に配偶者も同居親族もいない場合に、相続開始日の直前3年以内に自宅を持ったことがない別居親族がこの土地を相続し、相続税の申告期限まで所有を継続すればこの特例が適用されます。 |
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★小規模宅地などの対象となる面積とその減額割合 |
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項 目 |
区 分 |
対象面積 |
減額割合 |
居住用 |
特定居住用宅地 |
330㎡ |
80% |
事業用 |
特定同族会社事業用宅地等 |
400㎡ |
80% |
特定事業用宅地 |
400㎡ |
80% |
その他(賃貸住宅敷地・駐車場等) |
200㎡ |
50% |
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居住用の宅地について |
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330㎡(100坪)までの土地の評価額について80%の減税となります。
たとえば、亡くなった方が396㎡(120坪)の土地所有があり、その相続税評価額が2400万円だった場合、80%が減額され800万円の評価となります。ポイントの箇所にあるように配偶者が自分の土地を相続したときは無条件でこの特例を受ける事ができますが、だからといって配偶者に自分の土地をすべて相続させると、二次相続でかえって相続税が高くなることもあります。配偶者には税額軽減があり税金が発生しない可能性が大きいので、この小規模宅地の特例はできれば同居の子どもさんにうけてもらうこと(必ずしもそうでない場合もあります)が賢明です。 |
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二世帯住宅の場合 |
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親子が区分登記をしている場合、子どもさんの居住の部分にはこの特例は適用されません。二世帯住宅でこの特例の適用をしたい場合、共有登記をお勧めします。また、二世帯住宅に住んでいた子どもさん世帯が転勤となり家族で転居していた場合は不適用となりますので、家族を残しての単身赴任でしたら適用されます。 |
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終身利用権付きの老人ホームでなくなった場合 |
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今年からの税制改正によって本特例の適用が可能となりました。しかし、なくなるまでの間に自宅を他人に貸してしまうとこの特例からは外れます。 |