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養子縁組 ② |
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養子縁組には、法律的な制度としては、一般的な普通養子縁組(実親との親子関係も残る)と特別養子縁組(実親との親子関係は残らない)の2つがあります。
養子縁組は他人との間に法律上の親子関係を発生させる事を目的としていますが、普通養子縁組には社会実態としてはいろいろなものがあります。 |
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再婚時に行う養子縁組 |
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再婚時に行う養子縁組は、自分または再婚相手の子ども(連れ子)を養子にする場合です。子どもが未成年の場合の養子縁組には家庭裁判所の許可が必要ですが、このように結婚相手の連れ子と養子縁組をする場合は裁判所の許可はいりません。養子には養親の相続権が発生します。
養子縁組をした子どもは法定相続人になります。法定相続人が増えると相続税について影響があります。基礎控除額が増える事になるのです。基礎控除額は、「3,000万円+600万円×相続人の数」で、非課税枠が増える事になります。法定相続分に含めることができる養子の数は、実子がいる場合には1人、実子がいない場合は2人までという制限がありますが、再婚相手の連れ子を養子にする場合はこのような制限はありません。 |
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結婚時に行う養子縁組 |
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結婚時に相手の両親と養子縁組する場合があります。例えば、娘が結婚した男性(娘婿)と、娘の両親が養子縁組を結ぶというケースです。養子となった夫は、妻と並んで義理の両親の「子」の地位を取得します。なお、結婚に際して妻の氏を名乗るということ(妻方の氏に変えること)と、養子縁組とは関係ありません。養子縁組が成立するためには「養子縁組届」をしなければなりません。 |
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孫と行う養子縁組 |
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自分の孫との養子縁組をする場合があります。例えば、娘(子)の両親(祖父母)が娘の子(孫)と養子縁組をするというケースです。養子となった「孫」は、親(娘)と並んで「子」の地位を獲得します。なお、孫の相続として代襲相続というものがありますが、これは、子が孫より先に死亡した場合に孫が子の地位を承継して、祖父母が亡くなったときに祖父母の相続をするという制度です。 |
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養子縁組の手続 |
養子縁組の手続は市町村の役場でできます。必要書類は以下の通りです。
・養子縁組届け
・当事者の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)(届出をする市町村に本籍があるときは不要)
・届出人の印鑑
・届出人の本人確認書類 |
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養子縁組の費用 |
普通養子縁組には費用はかかりません。書類を受け付けてもらえば完了です。特別養子縁組の場合は、裁判所への申立費用として、印紙代800円と切手代が必要になります。 |
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養子縁組のメリットは親子関係が実子と同じように成立するということです。その原則は生涯続くことになるので、家の存続や墓の維持などが達成されてきました。しかし、その一方でデメリットもあります。実の親子関係ではないので、長きに渡って形成されてきた関係がトラブルをもとにして壊れてしまう危険性があります。そして、協議(話し合い)により離縁することができない場合は、訴訟を提起して裁判所が離縁を認めないと離縁はできません。
養子縁組の制度は法律で細かく決まっているので、制度をよく理解し、またお互いが思いやりをもって、その関係を維持していただきたいです。 |
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